ディティール表現

撮影の現場に於けるスタイリストの役目は、如何にその商品に拘りを持つかが全てであると言えます。いかなるアイテムもそれぞれ特徴を持ち、それ自体で輝きを放ってはいるのですが、画像にした時に必ずしも欠点が無いわけではありません。例えば色が目に強烈過ぎたり、或いは弱すぎたり、何処かピンと来ない場合が少なからず登場します。その様な場合、長所を出来るだけ突出させ、短所を補う事が必要になって来るのですが、部分的な観察ではなく、遠ざかって冷静に判断する姿勢が要求されます。コマーシャル画像の製造現場でのワークフローは時間との戦いで、中々精神的にゆとりを持って対処するのは難しいと言えますが、それを克服しない限りはプロとは言えないのではないでしょうか。今回の巻きバラに使用したリボンは日本製では見かけない、かなり鮮やかな色が特徴的な素材で上手く使えれば新しい世界を演出する事が可能な物ではありますが、欠点は片面が真っ白で両面使いではなく、バラの形を作った時に完全に裏地が覗いてしまいます。その為オーガンジーと共に巻く工夫を凝らし、白い部分が見えないようにしました。そうする事でオーガンジーの柔らかさが柄が持つ少々過激なニュアンスを弱め、全体として個性豊かな雰囲気を作り出す事に成功しました。このように、ディスプレイに関する要となるのは、プラスやマイナスの要因は相互に上手く干渉させることによって、新しい機能性を誕生させることが出来るのではないでしょうか。